読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

開館20周年記念特別展「大浮世絵展」江戸東京博物館(2014年2月8日)

大雪

おーおーーーーーーゆきーーーー(レミオロメンのあの節でどうぞ)。

20年に一度の大雪、と言われてでかけたら、40年に一度の大雪だった。

 

f:id:stkysm:20140208162543j:plain

 

大浮世絵展 | 【東京】2014年1月2日~3月2日:江戸東京博物館 | 【名古屋】2014年3月11日~5月6日:名古屋市博物館 | 【山口】2014年5月16日~7月13日:山口県立美術館」(公式サイト)

この特別展はとにかく混んでいるよ、との噂をきいており、また、マスコットキャラクターのギボちゃん(@edohakugibochan)も、混雑状況を週末ごとにツイートしているものだから、行くタイミングをはかっていた。そこに、この日の雪。早い時間帯ならチャンス!と思ってでかけてきた。

さすがにこの日はそれほどの混雑でもなく、立ち止まって作品を見る余裕があった。が、展示室の入り口、出品リストを置いた台の上部の壁に、注意書きが貼られていた。

入場者数、とくに有料入場者数は大事だろう。でも、なあ(もやもや)。東京はこういう展覧会が多いと思う。主催は江戸博、国際浮世絵学会、読売新聞社。後援はTBSラジオ

展示構成

1月2日から3月2日の会期は8期に分けられており、浮世絵という資料の性質上や所有者の意向により、展示期間が限られる作品が多い。行った日によってまったく違う展覧会にみえる(た)のではないだろうか。この日は5期目で、2分割でいうと後半に入ったところで、4分割だと3期目にあたっていた。

展示は6章構成。

第1章 浮世絵前夜

第2章 浮世絵のあけぼの

浮世絵が誕生する寛文年間から錦絵が誕生する明和2年ごろまでの約100年間の作品群。

第3章 錦絵の誕生

鈴木春信、勝川春章、磯田湖龍斎らの描く美人さん大集合。木版多色摺技法の飛躍的進歩。

第4章 浮世絵の黄金期

鳥居清長が描く美女と江戸名所、喜多川歌麿による表情やしぐさの描き分けと『画本虫撰(えほんむしえらみ)』、写楽の役者絵、歌川豊国や国政。

第5章 さらなる展開

葛飾北斎の富士、歌川広重の風景、歌川国芳が猫大好きすぎ。富山版画、長崎版画、上方版画も。北斎の肉筆『弘法大師修法図』(こうぼうだいししゅほうず)にはたまげた。

第6章 新たなるステージへ

幕末以降、報道的な主題がでてくる。東京日日新聞に落合芳幾が描く事件の数々、月岡芳年の赤が目をひく。伊東深水の美人さん達の清さと妖艶さ。山村耕花『梨園の華13代目守田勘弥ジャン・バルジャン』はどうみてもデビッド・ボウイ(きっと一定の共感をえられると思う)。さいご、川瀬巴水『上州法師温泉』で「おー、早く帰って風呂でも入れ、極楽極楽」な本人像に背中をおされて展示室を出た。

 

感想

橋本麻里さんの予言、

春から景気のいい話だが、こうした「全部入り」の展覧会は、観る側が焦点を失ってしまうと、「なんだかいろいろたくさん観た……ような気がする(呆然)」「写楽とか歌麿とか北斎とかあった……ような気がする(朦朧)」で終わってしまう恐れもある。 (「写楽、歌麿、北斎……全部入り! 浮世絵の傑作が大集合|橋本麻里の「この美術展を見逃すな!」|CREA WEB(クレア ウェブ)」より)

や、まったく仰る通りだった。だから、数多くの作品群を技法、描かれた風俗などの変化というストーリーを自分の中でつくる必要があり、それを狙った展示構成なんだなとも思った。これだけ豊富な点数で説明できる展覧会なんてそうそうできることではない。

 

「国際浮世絵学会創立50周年記念 江戸東京博物館開館20周年記念特別展」の冠がつくだけあって、海外のミュージアム(大英博物館、ギメ東洋美術館、ベルリン国立アジア美術館、ホノルル美術館、シカゴ美術館)から貸し出された里帰り作品が大変多く、この準備にはさぞや時間がかかったことだろうと思ったら、実は本展は2012年に開催すべく企画されていた。2011年3月に発生した東日本大震災福島第一原子力発電所の事故により、延期されたのだという。あのころは海外から美術品を借りる展覧会の中止が相次いだ。本展もそうだったのか。国内の貸出館も大変多く、学会総掛かりの展覧会なんだとすると、国内で巡回を、という気持ちにもなるが、資料の性質上、なかなか難しいのもわかる。次は名古屋市美、山口県美。

 

特別展のあとは、この2月8日から始まった「2011.3.11平成の大津波被害と博物館-被災資料の再生をめざして-」(3月23日まで)を見て、電車が動いているうちに急げとばかりに帰ってきた。転ばなかった。

 

入場料:1,520円(特別展・常設展共通券)

鑑賞所要時間:2時間15分

図録:購入(税込2,500円)

仰天:『絵本舞台扇』(勝川春章、一筆斎文調)大英博物館蔵 ← 洋装されていた!

(参考:国立国会図書館デジタルコレクション - 絵本舞台扇

大雪記念:『雪中相合傘』(鈴木春信)大英博物館蔵 きめ出しで柔らかく積もる雪、空摺で浮かぶ着物の模様を間近に見られて幸せ。