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東京都現代美術館開館20周年記念MOTコレクション特別企画「コンタクツ」(2014年12月23日)

(あとで書き直す予定ですが、フライング気味に公開しておきます)

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 東京都現代美術館開館20周年記念MOTコレクション特別企画「コンタクツ」に行ってきた。今年度、東京都現代美術館のコレクション展(常設)は、同館が開館20周年を迎えたことにちなんで、3期にかけて「特別企画」が組まれている。現在開催中の第2弾は、「コンタクツ」と題し、手法や世代、活動領域の違う作家や作品をあえて組み合わせる「コンタクツ」を見せてくれている。

 なかでも、印象に残ったのは最初の組み合わせ「アンソニー・カロ×安齊重男」だった。アンソニー・カロは、同館の最初の企画展示でとりあげた彫刻作家であり*1*2、また、安斎重男氏は、1970年以降現代美術の作家や作品を撮影しているアートドキュメンタリストである。

 自分が安斎氏の名をきいて真っ先に思い出すのはANZAÏフォトアーカイブである。これは、国立新美術館に所蔵されている3,217点からなる安斎氏が撮影した写真資料群で、1970年から2006年の国内の美術の動向を語る記録となっている。
 このANZAÏフォトアーカイブのリストから、会場・場所 = 東京都現代美術館、で調べてみると、カロ展関連の写真の存在がわかる。

(写真の画像は、著作権および肖像権保護の観点からインターネットでは非公開である)

 今回展示された写真は上記のリストよりさらに数多くあり、さらには展覧会当時のポスターや安斎氏が作成したアルバムまでもが展示されている。

 記録写真は一目でいろいろなことを伝えてくれる。

  • 輸送、設置、組立の様子
  • パーティーの招待客の様子(会場構成を担当した安藤忠雄と談笑する様子も見える)
  • 当時の展示室の様子

などなど。

 ここ数年、美術館の展示で、過去の展示記録にかかわるような資料が作品と併せて見られることが増えてきた。今回のような記録写真などにより、美術館自身が館の活動を振り返ってみせることで、観客にとっても作品との向かい合い方をもうひとつ増やしているように思う。


 さらに、パフォーマンスアーツ(舞踊やインスタレーションなど)では、同時にその場にいることができなかった観客にとって、記録がその作品を知る資料となるわけだが、それだけでなく、他の作家にとって、新たな作品を生み出す材料となっている。

 同時開催の企画展


展覧会|東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO

では、舞踊家の記譜とお弟子さんによる映像記録が展示されていたり、別の作品では舞踊家の動きを電気信号にして別の舞踏家の筋肉に記憶させるものがあったりで、これも記録が生み出す新たな創造だと思う。


 美術に関する記録と保存が、ドキュメンテーションなのかアーカイビングなのかまた別の用語で表されるのかはわからないけれど、今年11月24日国立新美術館で行われた

京都市立芸大芸術資源研究センター「来たるべきアート・アーカイブ 大学と美術館の役割」での話とつながってくる。

 この辺は今年見たほかの展覧会(東近美「コレクションを中心とした小企画: 美術と印刷物 ―1960-70年代を中心に」や横浜トリエンナーレなど)でも気になっており、来年も引き続き追いかけて行くテーマになるのかなあという予感がある。

 

そのほか

 今年収蔵された福田尚代の作品群には心拍数が上がり(職業的に)、関根尚子の静謐な鉛筆画と作品制作時の音には慰めを得た。また、今回、意外にも、東京都現代美術館でも横山大観や小野竹喬、村上華岳の作品を所蔵しているのだと知った。これは東京都美術館から移管されたもので、これが横尾忠則や吉田博と組み合わされた部屋には驚いたけれど納得しながら見られた。学芸員さんの眼力はすごい。
 この展示、あと1回見たいけれど、もう残りの会期は1月4日までとわずかだし、ほかにも見たいものがあるしで、行けるだろうか?
 もちろん、第3弾のコレクション展も楽しみである。

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